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見上の家

長野県南佐久郡南相木村

見上の家

長野県南佐久郡南相木村

家族の歴史を紡いでいく家

大工だったお祖父さんの想いを継ぐ

お施主様のお祖父様が大工をされていて、建て替える前の家はそのお祖父様が建てられたものでした。一本だけでも良いので、古い家に使われていた材を使って欲しいというお施主様の希望があり、お祖父様が刻んだ地松の梁、座敷の床柱や落とし掛けなどを各所に再利用しました。建物外観はモダンな印象ですが、内部は自然素材が溢れる心地よい空間が広がっています。無垢の木と漆喰の自然素材の落ち着いた組合せの中に、薪ストーブと階段フレームの黒が映えます。

リビングの壁は漆喰仕上げ。薪ストーブと階段のアイアンフレームの黒が映える。吹抜けに架かる古材の松梁も堂々としている。

リビングに隣接した畳敷の小上がりは家族のくつろぎスペース。カウンター越しにキッチンとも繋がっていて、料理の受渡しもできる。框は立替前の家の落とし掛けを再利用。

リビングから軽く仕切られたキッチン。南向きのカウンター開口から光がたっぷりと入るので、開放的過ぎずかつ閉塞感の無い設計になっている。

リビング階段はアイアンのささらと手摺りがシャープな印象。存在感がありながらスッキリ納まっている。

和室の壁はマコモという植物を混ぜ込んだ漆喰塗り。一段と壁の表情が豊かになる。青い和紙貼りの建具がアクセント。

玄関ホールの土間は色モルタル仕上げ。一階床との段差はあえて腰掛けられる高さにしてある。広めのステップで昇り降りも苦にならない。

上り框には柿を使用。色が違うのは接木の跡。木によって色・風合い・手触りが違い、それをうまく組合せるのが面白い。

栗を使った玄関引戸。ゴム製の気密部材をうまく使い、引き戸ながら気密性も確保している。